豊かな海のめぐみをうけつづけられるために

葛西臨海水族園 副園長 
坂本 和弘

日本は四方を海に囲まれた海洋国で、亜熱帯のサンゴ礁の海から流氷が押し寄せる冷たい海までさまざまな海から豊かな恵みを受けています。海の恵みは食卓に魚を届けるだけではなく、光合成をおこなう植物は地球の生物に必要な酸素を供給し、その美しい風景は人に安らぎや憩いを与えてくれます。

世界中の人たちがこの地球の上で暮らし続けられるようにするため17の目標を決めて、さまざまな取り組みを進めています。これらは持続可能な開発目標(SDGs)と呼ばれ、国際連合に加盟する約200か国が参加しています。

「そんな難しいこと、子どもの私たちには関係ないよ」と思うかもしれません。しかし、みなさんが見つけた海やさかなの面白いこと不思議なことを知らせるこのコンクールは「海の豊かさを守る」ことにつながり、これはSDGsの14番目の目標なのです。

みなさんの毎日の暮らしのできごと、たとえば「おじいちゃんのところに遊びに行って、早朝に漁港を散歩した」「水族館で魚がえさを食べる瞬間を見た」「お母さんが美味しい魚料理を作ってくれたので自分も試してみた」など、身近なところに研究のきっかけや創作のヒントが隠れています。

専門家も驚くような研究やすごい技術で作った創作を目指さなくていいのです。自分が見つけた不思議なこと、素敵な風景やきれいな生き物だと感じたこと、それをお友達にも知らせたいなと思うことが大切です。みなさんの作品や研究をみたお友達が海や海の生き物を大切に考えてくれることにつながり、それが豊かな海の恵みをいつまでも受けつづけられるような地球環境すら守ることになるかもしれません。

今年も素敵な作品、研究に出会えることを審査員一同、楽しみに待っています。