海の魅力を形にしよう!

東京大学大気海洋研究所 助教 
猿渡 敏郎

海は変化にとんだ魅力的な場所です。調査船で沖に出て夜空を見上げると、真っ暗な海の上に、満天の星空が広がっています。やがて空が明るくなり星が消えていくと、今まで一つだった空と海が水平線で区切られ、二つの世界へと別れます。お日様が水平線から顔を出しはじめると、一気に世界が明るくなります。一日の始まりを強く感じる瞬間です。神々しい光景で、徹夜で調査中であることを忘れてしまうほどです。

まず夜空が明るくなり、それからお日様が昇ってくる。どうしてこうなるかわかりますか?これは、地球が丸く、回転しながら太陽の周りを一周しているからです。どのような自然現象も、その背景にはちゃんとしたメカニズムがあるのです。

私たちにとって、海とそこに暮らす生き物たちはかけがえのない存在です。食料として、物を運ぶ場として、はたまた毎日の天気も海の影響を受けています。そんな海と地球を守り、未来永劫その恩恵を受け続けることができるよう、国連がSDGsプログラムを提案しました。SDGsの14番目の目標は、「海の豊かさを守ろう」です。さらに、「誰一人取り残さない」をモットーにあげています。これは裏を返せば、全員参加!つまり、私たち一人一人が、海と地球のために何ができるか意識して、手と体を動かして暮らしていこうということです。

海と魚のコンクールは、小学生の皆さんに作品作りを通して海と地球への気持ちを形にして、家族やお友達にその魅力を伝えてほしい。そのように願っています。

皆さんの素敵で素晴らしい作品を見せてもらうのを、心待ちにしています。