2024年7月19日掲載(朝日小学生新聞)

「海とさかな」の魅力を学んで自由研究のテーマを見つけよう!

夏休みの自由研究のテーマは決まりましたか? 自由研究のテーマ探しや研究の進め方のヒントになるように、3名の講師による「オンライン出張授業」を開催しました。全国から合計56校(5,234名)が参加した出張授業の様子を2回にわけて紹介します。第2回は「クラスでひとつの色図鑑を作ろう!」と「たまごのひみつ」のテーマについてです。

授業2「クラスでひとつの色図鑑を作ろう!」
講師 女子美術大学非常勤講師、臨床美術士、造形作家、atelier ムスビノトモ 主宰
守屋 球子

守屋 球子先生

<一人ひとりの感覚を大切にして海の色を表現!>

 海は、天気や時間、見る場所などによって、さまざまな表情を見せます。守屋球子さんの授業では、一人ひとりの感覚を大切にして海の色を表現する創作活動を行いました。

 赤、青、黄の「三原色」を組み合わせるとさまざまな色が作れることなどを学んだ後、制作をスタート。守屋さんは「自分の感覚を大切にする、色を楽しむ、そしてひらめいたことを試すことがポイントです」とアドバイスしました。

 参加者は、絵の具や色鉛筆などで画用紙に海の色を自由に表現。青色やオレンジ色、紫色などいろいろな色が使われており、それぞれの心の中にある海の光景が自由に表現されていました。「作品ごとに海の表情が違っていて、とても素晴らしいです」と、守屋さん。
 続いて、作品のお気に入りの部分をハサミで切り取ります。自分の描いた色の名前を考えてクラス全員の分を集めると、カラフルな色図鑑が完成しました。

●参加者の自由な発想で色とりどりの海が描かれるようすに、守屋さんは驚きの声を上げていました。

<参加した小学校の感想>

(1)神奈川県横浜市立 鴨居小学校
 子どもたちが楽しそうに参加していたり、何を描いても間違いでないというルールがあったりすることがとてもよかった。

(2)岡山県真庭市立 米来小学校
 初めて絵の具を使ったが、3つの色でたくさんの色が作れることに子どもたちはとても驚いていた。色々な視点から海をデザインする話も面白かった。

授業3「たまごのひみつ」
講師 サイエンスエンターテイナー・ELMSセンター特任研究員
五十嵐 美樹

五十嵐 美樹先生

<たまごのひみつ“たまご”に着目して海の中の環境を考える!>

 五十嵐美樹さんは、海の生きもののたまごをテーマにした授業を行いました。はじめにさまざまなたまごの写真を見て、形や色が異なることを確認。続いて、海には水温差などから起こる水の流れがあることを実験で学び、もし自分が海の生きものだったら、どのような場所にどんなたまごを産むかを考えました。五十嵐さんは、「場所や色、固さ、量など、どのように工夫すると生き残りやすくなるでしょう?」と投げかけました。

●実験では模擬的に海の環境をつくり、水中に氷を置いて(画像上)、水温差により流れが生まれることを学びました。


 参加者は海の中の環境を想像して、岩場、海藻、サンゴの中、深海などさまざまな場所に、たまごを産む海の生きものの姿を描きました。なかには星型のたまごからヒトデが生まれるなど、ユニークなアイデアの作品も。たまごという1つのテーマから、発想がどんどん広がっていくようすが見られました。

●各地の小学校の参加者が、オンラインの画面越しに作品を見せ合うことでお互いの発想を広げました。

<参加した小学校の感想>

(3)愛媛県伊方町立 三崎小学校
 2年生の図工で「ふしぎなたまご」の活動をした後なので、たまごつながりで関心が高かった。たまごに工夫を加えるのは難しそうだったが、自由に描くことで楽しんでいた。

(4)鹿児島県日置市立 和田小学校
 たまごやそこから生まれる生き物を想像して描くことができていた。楽しそうにしていた。