朝日小学生新聞掲載(2021年8月20日)

コンクール開催40回記念企画
アクアマリンふくしまオンラインツアー開催!

福島の小学生から届いた一通の手紙をきっかけにはじまった「海とさかな」自由研究・作品コンクール。第40回を記念して「アクアマリンふくしま オンラインツアー」を開催し、当日の総再生数は871回に上りました。

オンラインツアーは、福島県内の川の上流域から海岸までを再現した「ふくしまの川と沿岸」から始まりました。進行役として館内を案内してくれたのは、藤井健一さん、日比野麻衣さん、吉里光さんの3人。まずは、藤井さんがアクアマリンふくしまの特徴を紹介します。

 「自然光がふんだんにふりそそぎ、展示している植物や海藻が生き生きしているんです」と藤井さん。約2400枚のガラスでつくられた屋根から差し込む光で自然に近い形で展示しているのが特徴だと解説しました。川の中流域・下流域と進んだ先に広がる水槽は、アクアマリンふくしまで一番大きな「潮目の大水槽」の上部。そこには、マイワシの群れが泳いでいました。時々、群れから離れたマイワシが他の魚に食べられることもありますが、その様子は海の中では毎日のように行われている自然な光景です。海の日常を水槽で再現しているところもアクアマリンふくしまの特徴といえます。

 吉里さんは、黒潮水槽と親潮水槽の2つの水槽でつくられた「潮目の大水槽」を案内。「潮目の大水槽」をくぐる三角トンネルでは、差し込んだ日光が海水によってゆらめき、まるで水中を歩いているような幻想的な世界を体験することができます。

 吉里さんの案内は続きます。「親潮は水温が低く魚のエサとなるプランクトンが豊富です。一方で黒潮は南側から流れる暖かい海流。親潮と黒潮がぶつかる福島県の潮目の海には、たくさんの魚が集まってきます」。黒潮水槽には、黄色のヒレが特徴的なキハダ(マグロ)やカツオといった回遊魚を中心に、8種3万匹の魚が泳いでいます。

 親潮水槽には、黒潮水槽と異なる点が2つあります。1つは水の色。親潮には、黒潮よりも酸素やプランクトンが多く含まれているので緑色に見えます。もう1つは海藻です。親潮では、冷たい水が大好きなマコンブやワカメがたくさん生えています。

 大水槽の隣にある「親潮アイスボックス」では、北の海に生息するユニークな生き物を展示しています。その1つが丸い姿がとっても愛らしいナメダンゴ。

 「深い海にも、赤、黄、青と鮮やかな色合いの生き物がいて、潜っている時に見つけると宝石を見つけたような気持ちになります」と日比野さん。さらに2019年に北海道の羅臼で3種同時に新発見された、非常に珍しいエビの仲間も紹介してくれました。

次の水槽で紹介するのは、配信日の前日に展示がはじまったばかりのヒロメオキソコエビです。最近ではヒロメオキソコエビの仲間が世界一深いマリアナ海溝で見つかりましたが、お腹からプラスチックゴミが出てきたそうです。私たちの生活が海の底まで影響していることを忘れてはいけないと日比野さんは伝えました。

最後に紹介されたのは、ふっくらとした顔が印象的な深海魚、ニュウドウカジカです。「見た目だけでなくエサの食べ方も可愛いんですよ」と、実際にエサをあげる様子を見せてくれました。大きな口をあけて、掃除機のようにヒュッとエサを吸い込む姿を観察することができました。

「飼うことが難しかった生き物はなんですか?」など参加者からチャットで受けた質問に答え、あっという間に約1時間のオンラインツアーは終了。「ツアーで感じたことを調べてコンクールへ応募してみてください!」と、ツアーの進行役である日本環境教育フォーラムの鴨川さんは締めくくりました。