「海とさかな」自由研究・作品コンクールを42年間支えている、株式会社ニッスイを全5回の連載で紹介します!

朝日小学生新聞掲載(2023年11月25日)

ニッスイの創業は1911年。日本で民間初の水産研究機関をつくり、食の可能性を追求してきました。未来に向けて、その挑戦はつづきます。全5回掲載の第1回目では、そんなニッスイのヒミツに迫ります!

魚を余すことなく使うため、魚から新しい“食”を生み出した

 ニッスイは創業当時、トロール漁業を行っていました。次第に漁船の性能が向上して世界の海に出漁できるようになると、漁獲した魚の鮮度を保ったまま持ち帰るために、船上で急速冷凍する必要があり、その装置を開発して漁船に搭載。こうして漁獲した魚は、ムダにせずすべて活用したいと考えました。魚として売りにくい小魚などは、すりつぶして「すり身」に加工し、これを材料に「ちくわ」を生産して販売しました。魚を獲って売るだけでなく、魚から新しい“食”を生みだしたのです。

フィッシュソーセージ
改良を続けてロングセラーに

 ニッスイの思いや工夫がつまった商品の1つが、フィッシュソーセージです。太平洋戦争後の食糧難がつづく中、すり身を活用し、タンパク質が豊富でおいしくて手軽に食べられる加工食品として日本全国で喜ばれました。

 その後も時代の変化に合わせて進化を続けています。2000年代、アルミ製の留め金を使用しない「エコクリップ」の開発で、アルミ使用量の削減に成功し、ごみの分別も不要に。さらに卵アレルギーをもつ方に配慮して原材料に卵を使用しない商品設計を実現しました。こうした思いが人々や社会に受け入れられて、70年以上のロングセラーになっているのです。

未来に向けた挑戦

 おいしく健康に、もっと便利に、そして人にも地球にもやさしく。これからもニッスイは、「人々により良い食をお届けしたい」という志を形にして、みなさんの食卓に自然の恵みから新しい“食”を届けつづけます。

次回は12月下旬に掲載予定です。お楽しみに!